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2009-01-23

羊毛と醤油会社の意外な関係

バイオロジカル・ウール・ハーベスティング(BWH)という羊毛収穫法らしいのだが、この動画を観てぶったまげた。



しかもこのテクノロジーを開発したのが日本の醤油メーカーだということでさらにびっくり。創業が1616年(!)の超老舗、ヒゲタ醤油株式会社のウェブサイトにはこういう感じで紹介されている。

この方法は上皮細胞成長因子(Epidermal Growth Factor, EGF)の毛胞退縮作用を利用しており、羊にEGFを注射して羊毛の成長を一時的に止めることで、羊毛を無駄なく容易に採ることが可能となります。また従来のバリカンでの採毛法に比べ熟練技術がいらず、労力も軽減され、さらに羊毛の質も向上するという様々な利点があります。

なるほど。醤油会社といえば、麹菌。で、ブレビス菌(学名:Brevibacillus choshinensis )の研究をしていてタンパク質の大量精製技術を確立して、EGFを大量に生産する方法を確立したわけだ。確かにGrowth Factorって高いよなー。で、それが、オーストラリアでの羊毛の刈取りに用いられる、と。

酒造会社や醤油会社といった、発酵食品を生産する企業には、バイオテクノロジーの萌芽がたくさん眠っているんだろうなぁ。

2008-10-08

ノーベル化学賞はGFPの発見に

化学賞発表されましたね。
Chemistry 2008

物理学賞はちょっと詳しくないので勉強しないといけませんが、今回の化学賞は私にとってもとてもなじみ深い研究内容に対するものでした。

"for the discovery and development of the green fluorescent protein, GFP"

GFPというのはgreen fluorescent proteinの略で日本語に直訳すると緑色蛍光タンパク質ということになるのでしょうか。元々オワンクラゲから単離されたタンパク質で、ある特定の波長の光をあてると緑色に発光するタンパク質です。光を当てるだけで検出できるので生きた細胞に対しても検出することが容易で、しかも、遺伝子工学の発達により他のタンパク質に融合させることができるようになったことによって、そのタンパク質の生細胞内での挙動を観察することができるようになりました。

現在ではこのGFPの発見を礎に多種多様な蛍光タンパク質が開発されています。最近の理研の宮脇先生の新規蛍光物質や京大の松田先生のFRETなどlive cell imagingの発展につながっています。

私も研究室でGFPやYFPのついたタンパク質を使って、よく細胞を光らせています。その現在の細胞生物学の発展に対する貢献度を考えれば、一般には馴染みがなくても生物化学の研究者であれば受賞は誰もが納得することでしょう。むしろ、まだもらってなかったんだ、という感じですね。

ちなみに、今ニュースでやってましたが、受賞者の下村先生、自宅に研究室を持っているらしいです。うらやましい。

2008-10-06

ノーベル医学生理学賞2008

ノーベル賞の季節ですね。

医学生理学賞が発表されました。
Medicine 2008

ヒトパピローマウイルス(HPV)の発見をした、ドイツのHarald zur Hausen博士とエイズウイルス(HIV)の発見をした、フランスのFrançoise Barré-Sinoussi博士とLuc Montagnier博士の3氏に贈られることが決まりました。

2007年は胚性幹細胞の遺伝子改変技術、 2006年はRNA干渉と生物学の技術進歩に対しての受賞でしたが、2005年のヘリコバクター・ピロリ菌以来、病気と直結する内容での受賞で世の中の関心も高いのではないのではないかと思います。

HPV、HIVともにsexによって感染しうるウイルスです。HPVは女性の子宮内に感染すると一般的には数年でウイルスは消失するらしいのですが、長期間感染していると最悪の場合、子宮頸癌を引き起こすことが知られていますが、いくつかの型についてはワクチンが開発されているようです。HIVはヒトの免疫系で重要な働きをするT細胞を破壊することによって後天性免疫不全症候群を引き起こします。根本治療法は未だに開発されていません。





  

2008-06-02

クイズ「Biology or Physics?」

GIGAZINEの記事で見たのだが、12問中10問正解だった。生物学(Biology)と物理学(Physics)に関わりのある12枚の写真が並べてあって、それぞれがどちらのカテゴリの写真かを選ぶのだが、2問間違えてしまった。

日頃から細胞は顕微鏡で観察するので見慣れているのだが、いつもとても美しいと思うし、反対に宇宙の写真(星雲や惑星)もとても美しいと思うと同時に、両者に何かしらの共通性を感じるし、サイエンスをやっていてよかったなぁと思う。

もっとサイエンスをモチーフにしたアート作品や商業デザインが出てきていいのではないかと思う。研究者だけのものにしておくのにはもったいない。

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Biology or Physics?

2008-05-03

iPS細胞ブームに飛びつく前に知っておくべき5つのこと

昨今、巷を賑わせているiPS細胞ブーム。科学ニュースがお昼のワイドショーでここまで取り上げられたのも、田中耕一氏のノーベル賞受賞以来だと思う。まぁマスコミの作るブームというのは大したことはないのだが、そういった上辺だけのブームも含めて、何かとてつもない「夢の」技術だとか、「魔法の」細胞だとか、抽象的な言葉で報じられ、期待や不安を含めた様々な誤解を生んでいるような気がする。

イギリスの科学誌Natureに掲載された記事では、科学誌らしく、iPS細胞はどういうものか、iPS細胞研究は実際のところ現時点でどの段階にあるのか、といったことを冷静に5つの問題を提起してそれがそれが事実かどうかを分析している。

以下、()内の英文はNatureからの引用

1. 誰にでも作れる。(Anyone can do it) - ほぼ事実 (Fact (mostly))
誰にでも、というと語弊があるが、技術的に特殊な装置が必要だとか神業のようなテクニックが必要だと言うことはない。細胞培養ができて遺伝子導入ができれば一応誰でもできる。

2. 誰でも自分自身のiPS細胞をもてる。(Everyone can have their own custom-tailored
cells) - 金持ちでなければ無理(Fiction (unless you're rich))
やはり気になるのは、自分の細胞由来のiPS細胞を簡単に持つことができるかどうかとうことだが、まだ医療用として用いるには克服すべき課題も多くあるし、長いスパンで研究しないと分からない潜在的なリスク(ガン化)もあるかもしれない。さらに、個人のテーラーメイドのiPS細胞を供給するには莫大なお金がかかる。そうはいっても、研究は日々進歩しているのでいつかは可能かもしれない。現時点でも、研究所を運営することができるくらいのお金を持っていれば可能であるかもしれない。

3. iPS細胞を用いた治療法が開発中である(The cures are on their way) - まだまだこれから(Too soon to tell)
iPS細胞は基本的にどのような組織の細胞へも分化することができるので、再生医療への応用が期待されているが、現段階では臨床段階へというところにはいっていない。が、動物実験段階ではぼちぼち成果が出始めている。

4. ES細胞とiPS細胞は同じだ(Embryonic stem cells are the same as iPS cells) -
現時点では一応事実(Fact (so far, anyway))
同じだ、というよりは現段階で両者の違いがまだわからない。遺伝子の発現レベルや分化能などで両者の差異はない。

5. iPS細胞に倫理的問題は生じない(iPS cells have no ethical issues) -
やりたいことよっては問題あり(Fiction(depends on what you want to do))
ES細胞を破壊するという倫理的に問題は解消したのかもしれないが、当然別の問題が浮上してくる。わかりやすいところでは、iPS細胞から作った生殖細胞(精子や卵子)を受精させることは倫理的にどうなのかといったこと。

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Nature 452, 406-408 (2008) | doi:10.1038/452406a

Stem cells: 5 things to know before jumping on the iPS bandwagon

http://www.nature.com/news/2008/080326/full/452406a.html

2008-04-27

Ajaxを用いたオンライン人体マップ

Ajaxを用いた人体マップです。人体版google mapsとでもいいましょうか。
男性版、女性版があり、上下前後左右の6方向から拡大縮小可能です。

循環器系、結合組織、消化器系、内分泌系、リンパ系、筋肉、神経系、生殖器系、呼吸器系、骨格系、皮膚、泌尿器系をそれぞれレイヤーのように重ねて必要なものだけを表示できるようになっています。

CLICK SERACHを選択し、組織の上でクリックするとその組織が何なのかを上の検索窓に表示してくれます。
逆に検索窓に組織名を入力すると下のマップ上でその組織部分がハイライトされます。





embedすることもできるみたいです。

若干重たいのが難ですが、おもしろいです。

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Ajax-based human body atlas
http://bodymaps.com

2008-04-15

iPapers2はあるけどiPapers1はどこ?

以前にも紹介したMacで生命科学系論文の管理するためのフリーウェア「iPapers」。

iPapers2もリリースされ、作者様のサイトもリニューアルされたようです。しかしながら、それに伴いダウンロードのページを覗いてもiPapers1系のダウンロードリンクが見当たりません。iPapers2はOSX 10.4(Tiger)以降用なので、10.3(Panther)を使っている私はどうしてもiPapers1が必要なのです。

というわけで探したところ、何のことはない、作者様の旧ページのここにありました。(新ページからのリンクがうまく飛ばないようです。)iPapers1系の最後のリリース1.0.18があります。Panther使いの皆さんはこちらをダウンロードしてください。

最近Tiger,Leopardの環境も使えるようになったのですが、このiPapers1.0.18は、私の場合Panther、Tiger、Leopardの、どの環境においても非常に安定に動作しています。iPapers2.0.0は他の方も指摘されていますが若干不安定です。しかし、Supplemental fileの管理といった魅力的な機能も追加されているので期待しております。

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iPapers - http://ipapers.sourceforge.net/iPapers.html

Free application for managing PDF articles on Mac

2007-08-17

四角いスイカ、四角い細胞

毎日毎日暑くていやになる今日この頃。
久々の更新だが、WIRED VISIONにBiotechnology系の面白い記事を見つけた。

細胞を四角にしてみる――細胞培養の新手法

スイカがまだ成長していない段階で、周りに四角い木枠を設置しておくと、スイカがその木枠に制限された中で成長し、結果的に四角いスイカができあがるというのがある。

スイカを四角にするメリットは、転がらなくなること以外あまり思いつかないのだが、細胞を枠にはめて思い通りの形にできるということで、何ができるだろう?

この研究チームにとっては、培養皿の中で培養すると細胞は、基本的にランダムな細胞形態をとるが、生体内ではそれぞれの特徴を持った形態をとっており、その形態こそが細胞機能にとっても重要であるのではないかというのが、そもそもの興味だったようだ。たしかにそのような研究は見たことがない。

基本的にどのような型枠を使っても可能なのだろうか。例えば、ニューロンのようなものでも?

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Putting a Round Cell in a Square Hole

2007-06-21

Nature Procedings

O'Reilly Radarより

世界的に権威のある科学誌Natureを発行するNature Publishing Group(NPG)がWeb上で新たな試みを始めたようだ。研究成果をウェブ上に掲載してしまおうというコンセプトのもとに、簡単に早く投稿できるような仕組みがあるようだ。

読者は評価するプロシーディングに対して投票することができ、コメントを残すことができる。さながら常時開催の国際学会のようだ。

単なるお遊びの落書きではなく、Creative Commons Attribution LicenseのもとにDOIも付与されるということだ。ただピアレビューなしということで、内容の質ということになると若干の不安がある。

同様の試みとしてPublic Library of Science(PLoS)の運営するPLoS ONEがある。もともとScienceとWebは親和性の高いものであるのだが、出版社であるNPGがこういう形態に参入してくるというのはWeb2.0時代の象徴かもしれない。

こういう試みはこういうコミュニティーの形成は大多数の集団が参加することによって、次第に洗練されていくものであるので、どれほどの科学者が参加してくるかが成功の鍵であろう。

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Nature Precedings
Plos ONE

2007-06-19

PubMed AbstractPlusへのリンク方法

生命科学研究室のウェブページを管理している皆さんや生命科学系ブログを書いている皆さんへのtips

PubMed AbstractPlusへのリンク方法

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed
&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=XXXXXXXXX

(改行なしで記述)
(XXXXXXXXXにはPubMed IDを記述)


自分の研究室の業績一覧からPubMedのAbstractPlusのページへのリンクを作成する場合や自分のBlogから論文へのリンクを貼りたい場合には上のURLを指定すればよい。

ちなみにAbstractへのリンクは

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=Retrieve
&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=XXXXXXXXX

(改行なしで記述)
(XXXXXXXXXにはPubMed IDを記述)

2007-06-09

Cell Stem Cell創刊

Cell PressのStem Cell専門誌「Cell Stem Cell」が気づいたら創刊していた。

山中先生がiPS細胞について総説を書いている。読んでみよう。

最近ES細胞関連の論文がいろいろと出ているようなので、ちょっとまとめて勉強してみようと思う。

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Cell Stem Cell Launched !
Cell Stem Cell

2007-05-27

Google translate + search resultの使い心地は?(医学専門用語)J to E

Google translateで検索結果の翻訳が可能になったということで、使い心地はいかがなものかとちょっと使ってみた。

「My language: Japanese、Find results in: English」

・例1 割と一般的な名詞

「抗原抗体反応」


で検索すると下のような画面になる。



日本語でタイプしたキーワードの翻訳が「Translated to:」の形で検索窓の隣に表示される。この場合は「Antigen antibody reaction」。

右半分にOriginal English(隠すこともできる)があり、左半分にJapanese translationが表示される。

その他にいろいろと専門性の高い単語をいくつか調べてみたが、

・例2 タンパク質名
○「アクチン」Translated to: Actin
×「インテグリン」Translated to: integurin (○ Integrin)

・例3 組織名
○「大脳皮質」Translated to: Cerebral adrenal cortex
×「嗅球」Translated to: 嗅 sphere (○ Olfactory Bulb)

・例4 疾患名
○「神経痛」Translated to: Neuralgia
?「骨粗鬆症」Translated to: The bone it is rough the pore symptom ○「Osteoporosis」

このように、専門用語になればなるほどよくわからないことになってくる。検索語を翻訳してその翻訳語にマッチするページを表示するようになっているようなので、検索語が正しく翻訳されなければあまり使えない。今のままでも十分すごいことだが、どんどんと精度は上がっていくのではないだろうか。

「骨粗鬆症」を苦し紛れに「The bone it is rough the pore symptom」と訳したのは秀逸。

2007-05-23

Firefoxの検索バーにPubMedとGoogle Scholarを追加する

Firefoxの検索バーにはGoogle、Yahoo!、Amazon等の各種検索エンジンがデフォルトで選択できるようになっているが、これを生物系研究者向けにカスタマイズしてみよう。



あると便利なのがなんといっても、PubMedとGoogle Scholar。



・まずhttp://mycroft.mozdev.org/へアクセス。



・検索窓に「pubmed」と入力し検索。











・いくつかヒットするので「NCBI PubMed」をクリック。









・ダイアログボックスが表示されるので「追加」。



















・以上。検索バーに追加されているはず。































・Google Sholarを追加する際も同様に検索窓から「Google Scholar」で検索すると、これまたいくつかヒットするので「Google Sholar」(2つある。OpenSearch(A9)はMozilla Firefox 2とInternet Explorer 7でも使える)を追加。検索エンジンの順番をかえたいときは「検索バーの管理」からどうぞ。







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http://mycroft.mozdev.org/

Mycroft Project : Sherlock & OpenSearch Search Engine Plugins

PubMed and Google Scholar search plugins and more for Firefox search bar are available.

2007-05-17

化学楽器 Chemical Instruments

5/14日の投稿でタンパク質のアミノ酸配列を音楽に変換するBiologyとMusicのコラボレーションを紹介した。

今回は楽器のあり方という視点で、生物学や化学に注目している興味深い事例を紹介する。

現代の楽器というのは通常、叩く、弾く、といった物理現象に基づくものであるのだが、(株)ソニックヘッド プロデューサーの宮下芳明氏は生物学や化学など、物理学とは異なる広い意味での「自然現象」のなかに楽器の発音機構を見いだし、実際に研究、パフォーマンスを行っている。

Dangomusicに関しては、予測不能。
泡音リズムやpHテルミンはテクノ系の楽曲で十分に使えそうである。文字通りChemical Brothersあたり使ってもらいたい。

化学楽器
宮下芳明氏のサイト

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Chemical instumentsSome movies with English captions are available.

2007-05-14

タンパク質の奏でる音楽

Conversion of amino-acid sequence in proteins to classical music: search for auditory patterns

Rie Takahashi and Jeffrey H Miller

Genome Biology 2007, 8:405 doi:10.1186/gb-2007-8-5-405

タンパク質のアミノ酸配列を音楽性を損なうことなく音符へと変換して楽譜を作成したという報告。Genome Biologyの論文であるにも関わらずfigureが楽譜ということで目を引かれた。論文のAddtional Filesに実際に変換された音源がおかれている(研究チームのページにもある)が、確かに不協和音などがあまりなく音楽として成り立っている感がある。自然界が、30億年の生命の歴史が作った音源。是非これをベースに久石譲さんあたりにアレンジをしていただきたいものだ。

Journal site
Pubmed
gene2music

2007-05-13

カラスが賢い理由を科学的に実証

ITmedia newsより

カラスはやっぱり賢い 「脳地図」作成で明らかに

カラスはやはり賢い──カラスの脳を詳細に調べた「脳地図」の作成に慶応義塾大学のグループが世界で初めて成功した。カラスは知性が高いとされてきたが、賢いことが科学的にも実証できたという。


慶応義塾大学の渡辺茂教授と伊澤栄一准教授のグループがカラスの脳切片を作成し、解剖学的にマッピング、解析したところ、思考や学習、感情をつかさどる大脳の特に「巣外套」「高外套」といわれる知的活動に関係する部分が大きく、よく発達しているということを明らかにしたそうだ。

確かにカラスはゴミの日を覚えているような気がするし、カラス除けを設置する人間を冷静な目で観察しているような気もするし、賢いというのは何となく感じてはいたことだが、脳の構造的にもそれが確認されたということだ。

しかし、このような脳の発達は鳥類の中でカラスだけなのか?なぜカラスの脳は発達するに至ったのか?謎は多い。

カラスの「脳地図」(5月14日以降に公開)

2007-04-24

ライフサイエンス辞書 WebLSD

研究の世界では英語が共通語。特に生命科学系の研究をするにあたって、英語がわからないではどうにもならない。英語で情報を収集し、英語で情報を発信するという行為から逃れることはできない。しかしながら、情報収集、論文を読むことはなんとかなっても、情報発信、論文を書くほうは英語を母国語としない日本人にとっては多かれ少なかれ苦労を要する作業である。

私も論文を書くのは、はっきり言ってとても苦労する。専門用語を羅列することは慣れれば難しくないのだが、動詞の使い方や助詞の用法、前置詞の使い方など、ネイティブには当然のこととして体に染み付いていることを正しく違和感がないように使うことがとても難しい。

そんなときにお世話になっているのがWebLSD(ミラーサイトあり)というオンライン辞書である。

単語検索はもちろん便利であるが、特に重宝させてもらっているのが共起検索。この検索は実際に出版されている英語論文の中で使われている文章において、検索した単語の前後のつながりでどのような使われ方がされているかを統計的に示してくれる。

例えば、共起検索で「generated」と検索すると、「generated」という単語を使った文章の一覧が表示される。ここまでならば、Google Scholarでも同じことができるのだが、さらに集計値をみると「generated」という単語の後に来る前置詞として「generated by」60例、「generated in」27例、「generated from」23例という風に数値で示してくれる。もちろん自分の意図する表現に最適な用法はどれであるのかは考えなければならないが、少なくとも「英語論文ではこう書くのが普通だろ」という傾向を示してくれるという点でとても参考になる。もちろん、1単語だけでなくても検索することができる。

私は論文を書くときにブラウザのタブ1つにWebLSDを開いておいて、迷ったときには共起検索をかけてその結果を参考にさせてもらっている。

この辞書は京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野の金子周司先生を中心とするグループが作成している。ホームページはこちら。ライフサイエンス辞書。オンライン辞書サービスのほかにもいろいろとサービスがある。ATOK対応の拡張辞書、ライフサイエンス辞書Plus 2007 for ATOKもある。またWebLSDにはWindows XP/2000版の Internet Explorer および Windows/Mac OS X版の Firefox用のWebLSDツールバーもある。

今後さらに機能が充実していくことを期待しております。

English site
Life Science Dictionary

2007-04-12

Error bars in experimental biology

The Journal of Cell Biology, Vol. 177, No. 1, 7-11 (2007)

Error bars in experimental biology
Geoff Cumming, Fiona Fidler, and David L. Vaux

生物学の実験をする上で避けては通れない統計処理。エラーバーの正しい付け方、正しい記述の仕方を8つのルールを掲げて丁寧に説明してある。そんなことは常識じゃないかという方も多いだろうが、研究室に配属されて実験を始めたばかりの人にとっては是非押さえておきたいところ。とてもわかりやすくて読みやすい書き方がしてあるので、読んでみてはいかがだろうか。

2007-04-07

iPapersで文献管理

Macで生命科学系論文の管理するためのフリーウェア iPapers

iPapers

PubMedや雑誌ウェブサイトからダウンロードした論文のPDFファイルがデスクトップにたまって、どうやって管理しようかと思っていたところにこのアプリケーションを見つけたのが、3年くらい前。それ以来、大変に重宝させてもらっている。

オンラインであることが条件だが、このソフトでは、論文の検索、ダウンロード、管理をすべて行うことができる。

iPapers経由でダウンロードした論文は自動的にPubMed ID(PMID)がファイル名となり(XXXXXXXX.pdf)指定したフォルダに保存される。また、すでに持っているファイルやウェブブラウザからダウンロードしたファイルもPMIDをファイル名してiPaper上にドラッグアンドドロップするだけで自動的に情報を取得し、インデックス化される。

インデックス化された論文は雑誌名、著者名、さらに出版年でブラウズすることができ、キーワード検索も可能である。

また、iTunesのプレイリストなどと同様に選択したものだけをFavoriteとしてまとめることができ、それらをVancouver StyleやEndnote textなどにエクスポートすることができるので、論文を書く際にリファレンスをまとめておくのにも便利である。

ほかにもさまざまな機能があるので、ぜひ使用してみてはいかがだろうか。

作者様には感謝してこれからも使わせていただきます。iPapers2の開発にも期待です。

English site
iPapers