2007-04-24

ライフサイエンス辞書 WebLSD

研究の世界では英語が共通語。特に生命科学系の研究をするにあたって、英語がわからないではどうにもならない。英語で情報を収集し、英語で情報を発信するという行為から逃れることはできない。しかしながら、情報収集、論文を読むことはなんとかなっても、情報発信、論文を書くほうは英語を母国語としない日本人にとっては多かれ少なかれ苦労を要する作業である。

私も論文を書くのは、はっきり言ってとても苦労する。専門用語を羅列することは慣れれば難しくないのだが、動詞の使い方や助詞の用法、前置詞の使い方など、ネイティブには当然のこととして体に染み付いていることを正しく違和感がないように使うことがとても難しい。

そんなときにお世話になっているのがWebLSD(ミラーサイトあり)というオンライン辞書である。

単語検索はもちろん便利であるが、特に重宝させてもらっているのが共起検索。この検索は実際に出版されている英語論文の中で使われている文章において、検索した単語の前後のつながりでどのような使われ方がされているかを統計的に示してくれる。

例えば、共起検索で「generated」と検索すると、「generated」という単語を使った文章の一覧が表示される。ここまでならば、Google Scholarでも同じことができるのだが、さらに集計値をみると「generated」という単語の後に来る前置詞として「generated by」60例、「generated in」27例、「generated from」23例という風に数値で示してくれる。もちろん自分の意図する表現に最適な用法はどれであるのかは考えなければならないが、少なくとも「英語論文ではこう書くのが普通だろ」という傾向を示してくれるという点でとても参考になる。もちろん、1単語だけでなくても検索することができる。

私は論文を書くときにブラウザのタブ1つにWebLSDを開いておいて、迷ったときには共起検索をかけてその結果を参考にさせてもらっている。

この辞書は京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野の金子周司先生を中心とするグループが作成している。ホームページはこちら。ライフサイエンス辞書。オンライン辞書サービスのほかにもいろいろとサービスがある。ATOK対応の拡張辞書、ライフサイエンス辞書Plus 2007 for ATOKもある。またWebLSDにはWindows XP/2000版の Internet Explorer および Windows/Mac OS X版の Firefox用のWebLSDツールバーもある。

今後さらに機能が充実していくことを期待しております。

English site
Life Science Dictionary

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